JRA「馬に禁止薬物」どこ吹く風

156頭が一斉に「競走除外」となる前代未聞の事件なのに、謝罪会見にトップの姿はなかった。馬主たちは怒り心頭だ。

2019年8月号 LIFE [公営ギャンブルを任せられるか]

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日本中央競馬会(JRA)が不気味な静寂に包まれている。その静寂は6月15、16の両日、JRAが出走予定馬のうち156頭を禁止薬物使用の可能性が否定できないとして競走から除外した前代未聞の失態から始まる。馬インフルエンザなど感染症による競走除外、開催中止などはこれまでにも発生しているが、それは言わば“天災”。今回のように週末2日間の競馬開催で156頭もの出走予定馬が除外となったのはJRA、いや日本近代競馬史上前例がない大失態である。しかも、その大失態は“天災”などでは決してなく、JRAと関連会社も深く関与する“人災”そのものなのである。6月14日金曜日の夕方、数人の調教師に飼料製造会社から電話が入った。20年以上販売されてきた競走馬用サプリメント「グリーンカル」に禁止薬物が含まれていたので回収したい、との申し出だった。JRAは16時過ぎ、グリーンカルにカフェインと似た興奮作用を ………

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