高速船「クジラ衝突」打つ手なし

開発者のボーイングが生産を中止し、新造による抜本策を取るのも難しく袋小路に。

2019年7月号 DEEP

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福岡市に住む日本人の男性は今年4~5月の連休中、家族と韓国・釜山に旅行した。往路には博多港と釜山港を結ぶJR九州運航の高速船ビートルを利用した。この高速船は「ジェットホイル」と呼ばれ、「海を駆け抜ける」と表現される特殊船だ。船体を浮揚させ、水の抵抗を減らすことで時速80 kmを出せる。時刻表を見ると、福岡~釜山をわずか3時間で結ぶ。「これなら同乗する祖母や子供が船酔いすることもないだろう」と考えたという。ところが航行中、「クジラの群れ」の目撃情報とともに「ただいまから20分間は速度を落として航行します」、「クジラを避けるため航路を迂回します」という船内放送がたびたび流れた。船も速くなったり、遅くなったりし、結局、4時間近くを要したという。男性は「クジラとの衝突を避ける有効な手立てはないのか。これなら高速船の意味がない」と率直に感じたという。高齢の母 ………

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