南シナ海で一触即発「潜水艦隊」拡充競争

中国が食指を動かす台湾や尖閣諸島はアジアの火薬庫。世界の潜水艦の4割超が、そこにひしめく。

2019年6月号 DEEP

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アジア・太平洋地域を熱狂的な潜水艦ブームが覆っている。台湾は国産潜水艦を建造する専用造船所建設に着手した。韓国の大宇造船海洋は昨年9月、独自設計の3千トン級潜水艦「KSS–Ⅲ」を進水させ、今年4月にはインドネシア海軍から1400トン級潜水艦3隻を受注した。オーストラリアはフランスの政府系造船企業ナバル・グループと契約し、潜水艦12隻を豪南部に新設する造船所で建造する。インドはロシアの支援を受けて2016年と17年に原子力潜水艦を建造、進水させた。日本では昨年10月、世界初のリチウムイオン電池搭載潜水艦「おうりゅう」が進水した。

台湾が「潜水艦導入」に本腰

熱狂の背景には南シナ海で軍事プレゼンスを急速に高める中国の脅威がある。南シナ海はエネルギー・天然資源が豊富で、さらに世界の海運の3分の1を占める物流の大動脈でもある。このため中国、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、台湾がそれぞ ………

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