中西日立が「日立化成」を売る相手

「売却を急いでいない」と言うが、「営業利益率10%」達成に向け、早期売却に踏み切るだろう。

2019年5月号 BUSINESS

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日立製作所が上場子会社(51%株式保有)の日立化成を売却する目論見だ。化成の側も、その日に備えて「独り立ちの準備」を始めており、後は経団連会長でもある「日立の総帥」中西宏明会長の決断待ちだ。昨年、前代未聞の不祥事を起こした化成だが、電子材料業界では世界の大手であり、売却金額さえ折り合えば引く手はあまただ。1月に英国での原子力発電所の新設事業の凍結を発表し、2019年3月期に約3千億円の損失を計上する日立にとって「不肖の息子」をほぼ同額で売り払い、穴を埋めるチャンスだ。化学業界のトップが集う年始の賀詞交歓会では、にこやかにグラスを傾けながら「日立が化成の全株を売りたがっている」「売却額は3千億円以上」などと、生臭い噂が飛び交っていた。これを産経新聞(3月9日付)が「日立製作所、日立化成の売却検討 3千億円超か」と大見出しで報じ「売却先を募る入札手続き ………

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