世は歌につれ③

魂を揺さぶる清水博正の歌唱

2019年5月号 LIFE [世は歌につれ③]

  • はてなブックマークに追加

4、5歳のころには岡晴夫の「憧れのハワイ航路」や近江俊郎の「湯の町エレジー」を私が歌っていたというから、少なくともこれまで70年は歌謡曲と付き合ってきたことになる。歳を重ねるごとに好きな歌手も歌も変わってきた。いままで聴き続けてきた歌手の中で、1人に絞れと言われたらどうするか。基準をどこに置くかがまず問題だ。うまい歌手となると絞るのは難しい。はじめはそれほどうまくないな、と思っていても、いま聴き直すとそのうまさに驚く、例えば石原裕次郎のような人もいる。だから、基準を「聴いて号泣するなど魂が揺さぶられた歌手」として、1人に絞るなら私は現在28歳の清水博正をあげる。でも私以外の人が聴いたらそれほどでもないのかな、という不安はずっとあった。1年ほど前、彼の歌を聴いたことのない人4人にカラオケ喫茶に集まってもらい、群馬県から彼に来てもらって5曲ほど歌って ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。