後発薬業界に響く阿鼻叫喚

弱まる国の後押し。利益欲しさで不祥事が続出。再編・淘汰は必至の声が聞こえてきた。

2019年4月号 DEEP

  • はてなブックマークに追加

増大する医療費圧縮の切り札として国が普及を進めるジェネリック医薬品。2020年度中に使用割合を80%(現在は70%程度)に引き上げる目標を掲げてきたが、達成のめどが立ったことから、優遇策を徐々に減らす可能性がささやかれ始めた。国策に沿って拡大を続けたメーカー各社は「ハシゴをはずされる」と戦々恐々。利益を確保しようと手を打つが、品質問題やカルテル疑惑まで噴出する始末。各社の経営不安が一気に表面化する可能性もあり、再編や大規模なリストラは避けられそうにない。

後発薬が選手生命を奪う?

「胃薬を飲んでドーピングに引っかかるとは」3月4日、沢井製薬が発表したニュースリリースに医薬品業界やスポーツ界は騒然となった。「エカベトNa顆粒66.7%『サワイ』使用中止と回収のお知らせ」と題した発表資料の中身はこうだ。沢井が販売するこの医薬品は胃炎や胃潰瘍の治療薬だが、緑内障の治療などに使われ利 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。