TOB法制の「抜け穴悪用」スキーム
2019年3月号 BUSINESS [FACTA銘柄 Sin-Bin Box]
1月29日、都内某所で内外の機関投資家が膝を突き合わせていた。座の中心は、アジア企業統治協会(ACGA)のジェイミー・アレン事務総長。ACGAは香港が拠点の投資家団体で、コーポレートガバナンス(企業統治)に関する調査の権威だ。ACGAが昨年末に公表した2018年企業統治ランキングでは、日本の順位が前回のアジア4位から7位に下がった。会場では、森金融庁時代に導入されたコーポレートガバナンス・コードやスチュワードシップ・コードなど日本流ガバナンスの実効性が、「格下げ」原因になったことが議論されていた。「株主を守る法的枠組みが弱い」「持ち合い慣行が依然として跋扈している」……。参加者は丁々発止とやりあっていたが、ある個別案件が俎上に載ると、誰もの顔に不快の色が広がった。古河グループの中堅化学品メーカー、ADEKA(東証1部)が殺虫剤の日本農薬を買収した「スキーム」である ………
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