「出遅れ買収」にはしゃぐ日立

GEやシーメンスが敬遠する事業を買収。5年前40億ドルだったものを3倍弱の高値掴み。

2019年3月号 BUSINESS

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日立製作所のはしゃぎぶりが目に余る。昨年12月に発表したスイス重電大手ABBの送配電事業の買収の件だ。同分野で世界首位の事業を7千億円で傘下に収めることに、東原敏昭社長は「良い値段で買い物できた」と喜ぶ。だが、中国勢の台頭や変わりやすいエネルギー政策などの影響で筋書き通りに収益をあげるのは簡単ではない。16年前に米IBMからハードディスク駆動装置(HDD)事業を買収して失敗した悪夢をすっかり忘れてしまったようだ。

高値の売却にABBは高笑い

「グローバルトップ」「グローバルNo.1」――。日立の買収発表の説明資料には世界首位の事業を手に入れた喜びにあふれていた。東芝幹部は「日立は世界トップの製品が少ない田舎企業と言われてきたから、うれしくて仕方がない」と揶揄する。ABBの送配電事業は、売上高が100億ドル(約1兆1千億円)、事業利益は10億ドル(約1100億円)。世界に約100カ所の製造拠点を構え ………

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