中国経済「習近平リスク」顕在化

貿易戦争と景気減速の「二重苦」でも改革を先送り。ポジティブ・サプライズは期待薄だ。

2019年2月号 GLOBAL

  • はてなブックマークに追加

「中国の習主席と長く、とてもよい通話をした。ディールは順調に進んでいる」2018年12月29日、米大統領のドナルド・トランプは中国の最高指導者(国家主席兼共産党総書記)の習近平と電話会談を行った後、誇らしげにそうツイートした。トランプの言う「順調」とは、貿易問題をめぐる交渉で中国が譲歩を示し、米国が優位に立っているという意味にほかならない。ところが、この電話会談を伝えた中国メディアの報道は明らかにニュアンスが違っていた。30日付の新華社電によれば、習は会談のなかでトランプに次のように語ったという。「米中双方の交渉チームができるだけ早く、互いにとってウィンウィンであり、なおかつ世界のためになる合意に達することを希望する」つまり中国メディアの報道を見る限り、米中どちらが優勢かはもちろん、交渉が進んでいるのかどうかも不明瞭なのだ。

政治的代償は不可避

もちろん、これは意 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。