英原発建設は座礁寸前。「孤軍」日立の怒りの矛先は、国策を丸投げしている経産省に向く。
2019年2月号 BUSINESS
「難しい状況なのは事実。英国政府に(現行の枠組みのままでは)『もう限界』と伝えた」日立製作所会長の中西宏明は昨年12月17日に開かれた経団連会長会見でそう語った。日立が英国で進めようとしている原子力発電所建設計画の進捗を問われた時のことだ。
ロンドンから特急列車で約4時間。英本土と橋で結ばれているアングルシー島に、日立の原発子会社であるホライズン・ニュークリア・パワーが原発2基を建設するというのが「計画」の骨子だ。約3兆円にのぼる総事業費のうち2兆円強は融資でまかない、これを英政府が保証する。残りはホライズン・ニュークリア・パワーへの出資金を充当するが、日立、英政府と英企業、日本政府と企業連合がそれぞれ3千億円を拠出する。中西が「もう限界」と嘆いたのは日本政府・企業連合からの出資金が集まらないからだ。日立は日本政策投資銀行や東京電力ホールディン ………
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