日経・FT「仮面夫婦」の腐蝕

香港編集トップの「追放」で、図らずも見えた阿諛と二枚舌の内情。大ナタで看板記者が次々辞める悪循環に入った。

2018年12月号 BUSINESS [香港が「パンドラの箱」]

  • はてなブックマークに追加

今となっては、チャンチャラおかしい。「私はジョン・リディングさんのことを信用している。会って『私は経営者である前にジャーナリスト。あなたもそうですよね』と言われ、考えていることが同じと感じた」2015年7月24日、英経済紙フィナンシャル・タイムズ(FT)を買収すると発表した日本経済新聞社の喜多恒雄会長が会見でそう述べた。リディングとはFTのCE(最高経営責任者)のこと。二人ともスクープというより、権力欲と遊泳術に定評がある。あれから3年余、その二人に「踏み絵」が届いた。10月5日、香港の入境管理当局が、英国人のFTアジア・ニュース・エディター、ビクター・マレットの労働ビザ更新を拒否したことが明らかになった。彼は香港の外国記者会(FCC)の筆頭副会長で、香港独立を主張する香港民族党(HKNP)の陳浩天党首を8月14日の月例昼食講演会に招いたのだ。香港政府が中止を要請 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。