「逆ニクソン」見えぬ安倍外交

「前提条件なく日ロ平和条約」というプーチン・サプライズで見えた虚構。領土に固執して中国封じに乗り遅れたか。

2018年11月号 GLOBAL [プーチン「爆弾発言」]

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安倍外交の「馬脚」が見えた。ロシア極東部に外国資本の投資を促すために2015年から毎年、ウラジオストクで開かれている国際会議「東方経済フォーラム」。その全体会合が9月12日に開かれ、安倍晋三首相、習近平中国国家主席、ウラジーミル・プーチン大統領の日ロ中3カ国首脳に、モンゴル大統領、韓国首相ら豪華メンバーが檀上に顔をそろえた。そこでプーチンが「いま思いついた。平和条約を前提条件なしで結ぼう。今ここでとは言わない。今年年末までに結ぼうではないか」と唐突に発言した。同時通訳がどう翻訳したのか不明だが、ヘッドセットで聞いていた安倍はうなずくだけだった。領土棚上げで平和条約? 官邸留守番役の菅義偉官房長官は、会見で「(発言の)意図についてコメントすることは差し控えたい」と逃げ、10日の日ロ首脳会談で「無条件」での平和条約締結の提案はなかったと述べるにとどめ ………

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