蠢くバノン「欧米右派共同戦線」

ネット広告で有権者を操るなじみの手法。来春の欧州議会選に向け数百万ドルを投下。

2018年11月号 GLOBAL

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7月の英国公式訪問で米大統領ドナルド・トランプが、イスラム教徒のロンドン市長サディク・カーンの犯罪対策やテロ対策を槍玉に挙げ、攻撃したのは記憶に新しい。米大統領の発言は、最近ヨーロッパの政治舞台で星雲のような緩やかな集合体を形成する新右派のグループや政党に心地よく響いただろう。彼らにとって、イスラム教徒や、難民や移民を歓迎する中道左派の政党は仮想敵であり、ヨーロッパをイスラム化しようとする強力な敵である。イスラム化の恐怖はフランスのゴンクール賞受賞作家ミシェル・ウェルベックが2015年に発表した陰鬱な近未来小説『服従』に描写されている。22年にフランスの極右政治家マリーヌ・ルペンを破ってイスラム政権が誕生する、という衝撃的なストーリーによってだ。欧州移民危機の最中の15年、ネット上で、難民として到着したムスリムの数が最終的にヨーロッパ人を凌駕す ………

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