「風前の灯」北海道電と仲間達

ブラックアウトで地方電力の経営難が顕在化。「原発さえ動けば」の呪文が危機を加速。

2018年11月号 BUSINESS

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最大震度7を記録した9月6日の北海道胆振東部地震で脆弱な企業体質を露呈した北海道電力。道内全域の295万戸が停電した「ブラックアウト」は1951年の9電力体制スタート以来初めてだ。リスク管理能力の欠如と、3・11(福島第一原発事故)以降の電源設備計画や小売り自由化後の経営戦略の失敗が顕在化した。ただ、経営危機と隣り合わせの電力会社は北海道電だけではなく“経営ブラックアウト”予備軍は各地に点在している。

泊原発一本足が招いた危機

「前社長のように唐突に辞めると言い出すのではないか」地震発生当日から記者会見で謝罪を繰り返す北海道電力社長、真弓明彦(64)の憔悴ぶりをテレビで見た旧知の大手電力関係者は気遣う。真弓は79年に北海道大学工学部電気工学科を卒業して入社後、主流の工務部門を歩んだ「典型的な北電エリート」。もとよりピカピカの社長候補だったが、就任のタイミングは突然早まった。前任者 ………

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