石破「好機生かせず」敗退の道へ

原発、辺野古に踏み込まず、自民党をかき回さず表舞台から去る。正直・公正とはこういうことか。

2018年10月号 POLITICS

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「時の利」は石破氏にあった。9月6日未明に北海道を襲った大地震は道全域を停電させ、泊原発の外部電源を喪失させた。北海道電力が非常用ディーゼル発電機で使用済み核燃料の冷却を続けているというニュース速報は、全電源喪失でメルトダウンに至った2011年の福島第一原発事故を彷彿させた。翌日、安倍晋三首相に石破茂元幹事長が挑む自民党総裁選は予定通り告示された。石破氏は「災害対応に万全を期すことと、国の将来をどうするか論戦し党員の判断を仰ぐことは両立させないといけない」と総裁選延期を求めたが、黙殺された。首相は国会議員票の大半を固めていた。二階俊博幹事長は「立候補した瞬間に(勝敗は)決まっている」と公言。モリカケ問題を連想させる「正直、公正、石破茂」のスローガンに「安倍首相への個人攻撃だ」と批判が殺到するほど、党内の「石破イジメ」は激しさを増した。安倍首相 ………

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