建設会社倒産で暗躍した詐欺師の末路

2018年9月号 DEEP

  • はてなブックマークに追加

活況に沸く建設業界で人手不足に乗じた新手の詐欺が跋扈し、被害が広がっている。6月に事業を停止した「森工務店」(愛知県刈谷市)は1958年創業で、もともと年商5億円程度の地元建設会社だった。2016年6月、福岡に支店を出したのを皮切りに拡大路線に舵を切り、名古屋、東京、仙台へ進出。17年5月期の売上高は14億円と前期(8億円)から大きく伸びたが、それからわずか1年での倒産劇だった。6月上旬、自己破産の準備に入ったことが報じられたが、裁判所に申し立てた形跡はない。負債は同期末時点で8億6千万円程度だが、事情通によれば「直近で工事の発注者から騙し取った着手金だけでも10億円に達する可能性がある」という。銀行借り入れや下請けへの未払い分も加わ り、負債総額は大幅に膨らみそうだ。業歴60年で黒字決算、自己資本比率30%強の老舗会社が、工事代金を騙し取るスキームに手を染め、多 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。