「新たな冷戦」招く米中貿易戦争

本気の殴り合いでは中国の分が悪い。譲歩のタイミングを逸すればより深刻な対立へ。

2018年8月号 GLOBAL

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米中貿易戦争の火蓋がついに切られた。7月6日、米大統領のドナルド・トランプは予告通り総額340億ドル相当の中国製品に25%の追加関税を課す制裁を発動。中国による知的財産侵害を理由に掲げ、産業用ロボットなどハイテク機器を中心に818品目を対象にした。さらに7月末までに160億ドル相当を追加し、合計500億ドル相当に課税する予定だ。これに対し、中国も即座に同額相当の報復関税に踏み切った。米国産の大豆、牛肉、自動車など545品目が対象で、米共和党の大票田の生産物を狙い撃ちにしている。11月に米議会中間選挙を控えたトランプ政権の足元を揺さぶる意図は明らかだ。

譲歩を改革にすり替えか

しかしトランプに怯むそぶりはない。中国が報復するなら、課税対象を「さらに2千億ドル、その次は3千億ドル増やす」と宣言。額面通りなら総額5500億ドルとなり、事実上、米国が輸入する中国製品の全て(2017年の総輸入額5055 ………

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