総裁選で存在感を示したい総務相を「小池叩き」の前面に押し出す安倍首相の高等戦術。
2018年8月号 BUSINESS
東京一極集中とアベノミクスの恩恵で財政が潤う東京都と比べ、道府県の多くは財政に余裕がなく、地方法人税収の偏在が目に余る――。このように論陣を張って都財源の引き剥がしを狙う政府と、これに抵抗する都との争いが過熱している。バトルの主役は、初の女性首相を狙う野田聖子総務相と小池百合子都知事である。自民党総裁選での3選が有力視される安倍晋三首相が背後にいるが、自らは目立たず、総裁選に出馬して存在感を示したい総務相を小池叩きの先鋒隊として使う作戦がうかがえる。
小池都知事は5月末、地方税財源の在り方を議論する「東京と日本の成長を考える検討会」の設置を発表した際、「東京を標的にした税制度の見直しは、地方が抱えている財源不足の根本的な解決につながらない。目先の対応に囚われた動きに危惧を抱いている」と宣戦布告した。6月からスタートした検討会は秋に報告をまと ………
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