保有国債450兆円、長短金利と外為のマクロを握り、財務省は地盤低下。官邸「一強」の下、統御は誰がする。
2018年5月号 BUSINESS [新日銀法20年の想定外]
4月9日夕、黒田東彦日銀総裁が再任され、第二期体制がスタートした。一期目の5年間で権能は肥大化の一途をたどり、現在はマクロ経済政策全般を司る「全能の神」のような存在になっている。同時に「首相一強」と言われる中で日銀と政府の関係も大きく変化した。今後のマクロ経済政策を考える場合は、官邸、財務省、日銀という三角関係を、権力構造の地殻変動の中に位置づけていく作業も必要になりそうだ。
今回の人事で黒田総裁は留任。副総裁には知恵袋として日銀を支えた雨宮正佳・理事が昇格し、もう一人は「リフレ派」の論客、若田部昌澄・早稲田大学教授が就任した。この中で、雨宮氏が今後のキーマンになるであろうことは衆目の一致するところだ。同氏が本格的に頭角を現してきたのは、企画一課長として金融政策立案の中心に座ったころから。物事を柔軟に考えるアイデアマンで、1999年9月に発表 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。