政権の歪みを暴露する文書は、どれも霞が関から表に出た。匿名の官僚勢力が呼応し合い、政権打倒に乗り出したか。
2018年5月号 POLITICS [ 「一強官邸」の命運]
朝日新聞が3月2日、森友問題の公文書改ざんをスクープしてから、財務省が改ざんを認めるまで10日もかかった。その間、国土交通省が「うちにも改ざん前の文書がある」と首相官邸に申告し、自民・公明両党の幹事長・国対委員長が財務省に「早く公表しろ」と促すなど、露見した悪事をどう説明するか、処理方針を巡り政権内で混乱が続いていた。混乱の最中、改ざんを苦に近畿財務局の職員が自殺し、佐川宣寿前国税庁長官は翌々日慌てて辞職。朝日に出し抜かれて焦る毎日新聞は、1面トップで「佐川氏が改ざんを指示」と、いち早く事件の本筋を断定した。記事が出ると、「陰の総理」こと今井尚哉首相秘書官が毎日新聞の「レポ役」を恫喝に及んだ。「何だ、この記事は。お前のところの社長のクビが吹っ飛ぶぞ」「レポ役」とは、取材現場の担当記者とは別にマスコミ各社が配置する官邸との連絡係の隠語である。 ………
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