120億で売れるものを105億で。この不思議な取引から、すったもんだは始まった。
2018年3月号 DEEP
東京メトロ銀座線の外苑前駅の目の前に、竹中工務店が所有する「青山タワービル」がある。このビルをめぐり、鹿島建設や三菱地所投資顧問などが、地場の不動産会社を相手に、泥仕合を繰り広げている。1969(昭和44)年に建った築50年近いビルについた値段は2015年の契約時で120億円。建て直しが前提なので約1129㎡の敷地についた値段と言えるが、1㎡当たりで約1063万円だ。同年の相続税路線価が510万円なので、取り壊し費用を考えると、倍以上の評価になる。これだけでも都心の地価の過熱ぶりがわかる。元のオーナーである地場の不動産会社の特別目的会社「はやてインベストメント」が最終的に選んだ売却先は、もともとこのビルを建てた竹中工務店。はやてと竹中は同年9月29日に契約したが、その約1カ月前の8月24日、鹿島建設との間で105億円の売買契約を成立させていた。これを解約し、竹中に15億円高 ………
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