「伊方止めた」野々上裁判長の執念

地震、津波に火山リスクが加わり、泊、玄海、川内の差し止め裁判も予断を許さなくなった。

2018年2月号 DEEP

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影響力の大きい高裁が初めて原発を止めた。昨年12月13日、四国電力伊方原発3号機の運転を差し止めた広島高裁の仮処分決定。その8日後に満65歳の誕生日を迎え、定年退官した野々上友之裁判長は、公証人に転じる話を断り、今回の仮処分審理に傾注していたという。同13日午後1時半すぎ、広島高裁前。仮処分を申し立てた住民の代理人を務める河合弘之弁護士が決定を掲げて「勝った」と叫ぶと、歓声が上がった。「高裁決定で勝ったことは、歴史的な転換点だ。とりわけ重要なのは世界初の被爆地である広島の高裁で、このような決定が出たこと。被爆者の方、原爆・核兵器と闘っている人たちとともに、原発もなくしていく闘いを力強く進めていきたい」河合氏の勝利宣言に続き、米国公民権運動でジョーン・バエズらが歌った「勝利を我らに」(原題:Wee Shall Overcome)の合唱となった。

広島地裁・高裁勤務16年

広島、松山両市の住民 ………

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