医師国家試験に合格した新米医師を受け入れる全国の「臨床研修病院」に、昨年9月、厚生労働省の各地方厚生局から電子メールでエクセルファイルが送り付けられた。ファイルを開くと大学名と学生の氏名が並び、それぞれの学生について、「臨床研修期間中の地域医療への従事要件等」が書かれた欄がある。その数800人分。そこには、研修を受ける地域や病院名が書いてあるが、都道府県によって、「県内の臨床研修指定病院」と大雑把なところもあれば、「西脇市立西脇病院」（兵庫県）というように、学生ごとに決めている県もある。このファイルを送ったメールには、「マッチング」と呼ばれる研修医の採用システムへの参加規約が変わり、病院が「研修希望者の地域医療への従事要件を確認する」ことが加えられたため、このリストを送る、という主旨のことが書いてある。病院関係者が解説する。「これは、大学の ………