日産が組織的「リコール飛ばし」

「再来年の車検と同時実施なら車検代を3万円値引きします」と、ディーラーがそそのかす「リコール先送り」。

2018年2月号 BUSINESS

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「あざとい」とは、かかる輩のことを指すのだろう。120万台のリコール(無償回収・修理)が発生した日産自動車の無資格検査問題――。日産はリコール対象車を所有する顧客に点検作業を促すため、8万円分の新車割引クーポンを配布するという。低迷するリコール実施率の向上が目的との触れ込みだが、おためごかしもいいところだ。腰低くリコール対応を呼び掛けるのは、日産の「表の顔」に過ぎない。裏では、リコールなど1円の儲けにもならないとばかり、1年も2年も先送りさせる「リコール飛ばし」を、顧客にそそのかしているのだから、開いた口が塞がらない。

リコール先送りが「お得!」

千葉県内に住む30代の男性会社員A氏は、2016年6月に購入した日産のミニバン「セレナ」がリコール対象となった。無資格検査問題が発覚した17年10月、ディーラーから「準備が整い次第、リコールを案内する」という手紙が届いたが、その後は音沙汰な ………

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