2018年2月号 連載 [いまここにある毒]
ネタバレでも構わない映画がある。ミステリー『オリエント急行殺人事件』は誰もがオチを知っている。リメーク版は名探偵ポワロをシェークスピア俳優ケネス・ブラナーが演じていたが、懐かしの老優競演は見て楽しめばいい。が、トランプ大統領は暴露本の「ネタバレ」に耐えられない。元首席戦略官で袂を分かったスティーブ・バノンに、ロシアゲートで愛娘イバンカの夫やジュニアが「売国的」と批判されたくだりがあるからだ。情報源のバノンを「職も正気も失った」とツイートで罵倒した。バノンは一時「影の大統領」と言われ、トランプに極右(オルト・ライト)の排外政策を注入する首魁だった。ホワイトハウスを離れても「外から大統領を応援する」としていたが、12月のアラバマ州上院補選で、肩入れする共和党候補が敗れ、不和が表面化したらしい。バノンのスポンサーだった富豪ロバート・マーサーまで ………
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