サウジ皇太子が改革「強権発動」

突然の王族拘束。前国王系の国家警備相を解任し、軍・警察・国家警備隊を全て掌握したが。

2018年1月号 GLOBAL

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サウジアラビアが建国以来の大きな政治的転機を迎えている。2017年11月4日、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子率いる汚職対策委員会が、世界的な富豪として有名なアルワリード・ビン・タラール王子ら11人の王子や現職閣僚4人を含む元閣僚ら数十人を拘束した。同時にサルマン国王は、アブドラ前国王の息子で、一時は国王後継候補にも挙げられていたムトイブ国家警備相やファキーフ経済企画相らの解任人事も発表。ムトイブ王子やアルワリード王子らは「汚職にかかわった」などとしている。さらにサウジ司法当局は200人以上の王族有力メンバー、当局者やビジネスリーダーたちを拘束し、約1700の個人の銀行口座を凍結した。

対イランで強硬路線

この粛清でムハンマド皇太子の数多くのライバルが政治の表舞台から去った。中でも最重要人物がムトイブ前国家警備相だった。ムトイブ王子が仕切っていた国家警備隊は、サウジにおい ………

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