東芝「6千億増資」の落し穴

破産を申請したWHの負債総額が約8兆6千億円に膨らみ、親会社の東芝は海外原発事業リスクを遮断できない。

2018年1月号 BUSINESS [WH原発の無間地獄]

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東芝は12月5日、海外の投資ファンド60社を引き受け先とする第三者割当増資を実施して6千億円を調達した。2018年3月末までに半導体メモリー事業が売れないと2期連続の債務超過=上場廃止の瀬戸際だった東芝は、絶体絶命のピンチを切り抜けたように見える。しかし本誌が何度も警告したように、目先を取り繕うだけで東芝危機は終わらない。濡れ手に粟のファンドが一稼ぎして去った後、真の危機が訪れる。今回の増資はおかしな話である。東芝は放っておけば18年3月末時点で7500億円の債務超過になるボロ会社。何とかして東芝を救いたいメーンバンクの三井住友銀行や産業革新機構も危なすぎて手を出せない。その会社に、利に聡い海外ファンドが6千億円もの巨額資金をポンと投資したのだ。東芝の窮状を見るに見かねて男気を出してくれたのか。そんなはずはあるまい。ゴールドマン・サックス証券(GS)も、GSの ………

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