皇室ねじ伏せた安倍

皇室・宮内庁と一部のメディアの「独走」にへそを曲げた首相官邸。「5月即位・改元」の日取りに、正当性は何もない。

2018年1月号 POLITICS [新帝「メーデー即位」の真相]

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「これは第3次長州戦争だ」今の皇室と政権の関係を、あるベテラン皇室ジャーナリストはこう表現する。山口県出身の安倍晋三首相を長州藩主、安倍官邸を長州藩に見立てた比喩である。どういう意味か。少し歴史をおさらいしよう。昔の歴史教科書では、朝廷側から見て第1次長州征伐(1864年)とか第2次長州征討(1866年)と呼んでいた幕末史を画する内戦である。戦ったのは幕府軍と長州軍だが、そもそもは長州藩が京都市中で挙兵した禁門の変(蛤御門の変)に孝明天皇が激怒し、長州藩主の毛利敬親・定広父子を服罪させるため徳川将軍家に追討の勅令を出した。第1次戦争は長州藩が降伏したが、第2次戦争は幕府軍が敗れ、これを境に幕府は瓦解へ向かい、長州藩は倒幕・維新への第一歩を踏み出す。第2次長征から150年の2016年8月、天皇陛下がビデオ・メッセージで国民に直接述べた生前退位のお気持ち表明は、 ………

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