クロマグロ「泥縄管理」が大破綻

函館の一漁協だけで、定置網の漁獲枠突破し全国で悲鳴。欠陥規制に来年は法定化で厳罰。

2017年12月号 LIFE

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予見できた失敗である。水産庁が3年前から実施している太平洋クロマグロの資源管理のことだ。日本は言い出しっぺだが、前期は漁獲上限を334トン超過して失笑を買った。今期は北海道のたった一つの漁業協同組合が日本中の定置網の漁獲枠を食い尽くし、北から南までマグロ漁にかかわる漁業者を阿鼻叫喚の地獄に突き落とした。緩みきった漁業団体、泥縄式の対応に終始するお役所――この現実にメスを入れずして、資源管理も水産業の成長産業化もしょせん絵に描いたモチだ。来年から資源管理法施行令に基づく漁獲可能量(TAC)制度に移行すれば、少なからぬ数の漁業者が犯罪者として罰金や懲役刑に服すことになるだろう。

厳重監視をかいくぐって

10月6日、水産庁は全国の定置網漁業者に体重30キログラム未満の小型のクロマグロを狙った操業を自粛するよう緊急発表を行った。北海道から鹿児島までクロマグロを定置網で獲ることもあ ………

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