どんな乱脈融資でも、中小企業は潤う。与野党商工族が庇護する天下り法人は救い難い。
2017年11月号 BUSINESS
〈同質集団が罪の認識を欠くまま進行していく“日本型不祥事”の典型〉。今年4月に商工組合中央金庫(商工中金)による制度融資「危機対応融資」を巡る不正を調査する第三者委員会(委員長・国広正弁護士)が下した結論である。総選挙直後の10月下旬にも、商工中金の不正に関する全件調査結果が公表される見通しだ。商工中金関係者が打ち明ける。「不正に手を染めた人間は300人規模となり、不正件数も当初の第三者委調査時の約800件から2千~3千件規模に膨らむ」。全国100支店のうち約90支店で不正が認定された、日本で唯一の政府系中小企業専門金融機関(従業員約3900人)──。その根太が如何に腐っていたか、想像を絶する。そもそも危機対応融資とは何なのか。災害や金融危機で業績が悪化した中小企業を資金支援する制度として08年に始まった。商工中金は融資額をかさ上げするため、危機を脱した企業でも ………
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