2017年11月号 連載 [いまここにある毒]
京女(きょうおんな)に東男(あずまおとこ)という。今は逆で、東女に京男らしい。左のリベラルを切り捨て、東女の「希望の党」に乗り換えた京男の賭けが、「吉」と出るか「凶」と出るか、本誌締め切りは間に合わないが、有権者の心も日替わりで揺れ動く。玉くしげ箱根の水海(みうみ)けけれあれや二くにかけて中にたゆたふ。三代将軍、源実朝の歌だが、昔の東言葉は「心」を「けけれ」と訛っていたらしい。芦ノ湖を遠望して、細波(さざなみ)の立つに「心はあるか」と問い、血で血を洗う武家政権の内訌に、薄氷の身を嘆じたかに聞こえる。刺客ばやりの総選挙だから、現代だってそう変わらない。不倫や暴言、疑惑を抱えた手負いの“猛獣”たちが、土下座し絶叫し最後は涙を流して「不徳の致すところ」と頭を下げるのを、誰もが待ち構えて舌なめずりしている。残酷なものだ。安倍対小池に、「排除」組が ………
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