日本アンチ・ドーピング機構が義務付けているのと同じ生産設備認証を持つ米社が造ったサプリに禁止物質が混入していた。
2017年10月号 DEEP [五輪までに抜本改革を]
岩手県盛岡市の南約15キロに位置する紫波町営自転車競技場に秋風が舞っている。1周333.3メートルのこの会場で約1年前の2016年10月8日、岩手国体の自転車競技が開かれた。成年男子ケイリンの部。混戦の後、最終コーナーで抜け出し、11秒311のタイムで優勝をかっさらったのは福井県体育協会所属の寺崎浩平だった。寺崎は国体個人の部では初の栄冠だが、全日本選手権のトラック・レース男子マディソンでは15、16年と連続優勝している日本の若手ホープだ。こんな有望な選手が、奈落の底に突き落とされ、その後一転、自力で這い上がり、図らずもその過程で、自らを突き落とした日本アンチ・ドーピング機構(JADA)があたかも副業のように実施している「サプリメント認証プログラム」の欺瞞を白日の下にさらすことになろうとは、この時一体、誰が考えただろうか。レース後ほどなく、最初の事件は起きる。寺崎 ………
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