「反腐敗の鬼」王岐山の凋落

親族の不正疑惑が拡散され、信望が急降下。党大会で留任してもレームダックか。

2017年10月号 GLOBAL

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「王岐山は末期の肝臓がん。余命は長くない」――。9月2日、世界中のチャイナ・ウォッチャーを震撼させる噂がネット上を駆け巡った。王は中国共産党の最高指導部、中央政治局常務委員会のメンバーの一人で、党の汚職調査機関である中央紀律検査委員会のトップ。公式な党内序列は6位だが、実際の影響力は最高指導者の習近平(国家主席兼党総書記)に次ぐナンバー2と言われる大物政治家である。折しも2日前の8月31日、5年に1度の共産党大会(19大)が10月18日に開幕することが発表された直後だった。19大では現職の中央常務委メンバー7人のうち過半数が入れ替わる見込みで、なかでも王が留任するかどうかが重要な焦点の一つになっている。余命幾許もないとの噂が本当なら、次期最高指導部入りは絶望的だ。

「重病説」は否定されたが

しかし9月5日、噂はあっけなく覆された。王が湖南省を視察する様子を、国営放送局の中国中央テレビ ………

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