赤字転落の下手人が、うるさ型OBの多い「鉄鋼」に社長の椅子を戻し延命。社はどうなる。
2017年10月号 BUSINESS
「辞任は不可避」と言われ続けてきた住友商事社長の中村邦晴が6年の任期を全うする。来年、後進に道を譲り、会長として院政を敷く見通しだ。後任候補は専務執行役員で企画担当の田渕正朗と、同じく専務執行役員メディア・生活関連事業部門長の南部智一。いずれも社内では「鉄鋼畑の人」と呼ばれる人物だ。2015年3月期に16年ぶりとなる最終赤字を計上した住商。中村はその原因を作った張本人でありながら、なぜ延命できるのか。自動車部門出身の中村が社長に就くまで住商社長は鉄鋼部門出身と決まっていたが、その暗黙のルールを壊した当人が鉄鋼畑に大政奉還をしようとしているのはなぜか。浮かび上がってくるのは中村の「粛清」と「配慮」の巧みな使い分けだ。
まずは中村が辞任不可避と言われた理由をおさらいする。住商が15年3月期に731億円の最終赤字に転落したのは、約3100億円もの損失を計上し ………
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