身捨つるほどの同盟国はありや

2017年10月号 連載 [いまここにある毒]

  • はてなブックマークに追加

「空を見ろ」「鳥だ」「飛行機だ」「いや、金正恩だ!」。1950年代のスーパーマンが懐かしい。今や、北海道上空をかすめて襟裳岬沖に北朝鮮のIRBMが飛び、警告も制裁もどこ吹く風の水爆実験で列島を揺るがす時代だ。ついに「核の傘」が破れた。「断じて容認できない」(安倍首相)、「北はナラズモノ国家」(トランプ大統領)といくら語気を強めても、渋る中ロに譲歩して石油全面禁輸を取り下げた国連安保理決議では全会一致でも尻抜け同然か。ドローンか急襲部隊を使った斬首作戦も非現実的なだけに、金三代目の思うツボだろう。安上がりな米軍依存という戦後の安全保障が「破れ傘」になり、それ見たことかと右派論客からは威勢のいい日本核保有論が飛び出す。だが、核兵器を開発するには、改憲以前にまず30年の更新期限が目前に迫る日米原子力協定を改正しなければならない。原子炉技術はすべて米国製 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。