岸田「禅譲路線」の虚実

「政権は勝ち取る以外にない」。18年秋の総裁選での立候補を視野に入れて準備を進めない限り、道は開けない。

2017年9月号 POLITICS [政権交代に禅譲なし]

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安倍内閣の支持率が急落する中で行われた今回の内閣改造・自民党役員人事。ポスト安倍に意欲を燃やし始めた宏池会(岸田派)会長の岸田文雄(60)は、4年7カ月務めた外相を退き、党三役の一角を担う政務調査会長に就任した。ちょうど1年前の夏も政調会長を希望したが、首相・安倍晋三(62)に受け入れられなかったポストを、岸田は今回手に入れた。それは、1993年初当選組の同期生でありながら、足掛け5年、政界ナンバー1の地位を維持し続ける安倍と、安倍首脳外交の支え役として外相ポストに釘付けにされてきた岸田の間の力関係が、この1年で変わり始めたことを意味している。安倍一強体制は、森友学園問題に続く加計学園問題などで生じた「安倍不信」によって大きく揺らいだ。その立て直しに向けて、外交だけでなく幅広い協力を岸田に仰がざるを得なくなった安倍の苦悩が、ここには色濃く影を落とす。 ………

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