三洋電機「御曹司」哀れな末路

祖父が築いたサンヨー、拾ってくれたリクシルを危機に追い込んだボンの行き先は……。

2017年9月号 BUSINESS

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周囲に「しばらく充電するわ」と言って、井植敏雅はLIXIL(リクシル)グループを去った。2005年、祖父の歳男が築き上げた三洋電機の8代目社長に就いたものの、同社を崖っぷちに追い込んだ男だ。敏雅は三洋の大株主であったゴールドマン・サックスグループ、大和証券SMBCグループ、三井住友銀行の金融3社に追われる形で07年に社長を退任。金融3社は09年、三洋株をパナソニックに売却し、三洋は事実上消滅した。ピークで10万人に上った社員は散り散りとなった。それにもかかわらず、しくじり経営者の敏雅はどういうわけか09年に住生活グループ(現リクシル)の実質的なオーナー潮田洋一郎に拾われ、副社長に就任した。当時、取り巻きだった雑誌記者に記事を書かせ、「何よりポテンシャルに夢を感じたから、この会社に来た。それを一つずつ絵にして見せていくのが僕の役目」とプロ経営者を気取ったが、何の ………

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