磯崎キリンが「飯のタネ」探し

勝負所はベトナム最大手の買収。サントリーかサッポロを手に入れ、返り咲く野望も。

2017年9月号 BUSINESS

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ビール業界はかつてキリンホールディングスを中心に回っていた。長らくシェアトップの座に君臨し、いち早く海外に積極進出した。2010年、サントリーホールディングスとの経営統合交渉は破談したが、実現していれば歴史に残る再編劇となったことは間違いない。だが、今やその盟主の面影はない。海外投資の失敗に加え、本業のビールも苦境が続く、まさに「ジリ貧」なのだ。キリンが3日に発表した17年1~6月期の連結営業利益は、前年同期比35%増の797億円で過去最高を更新した。一見すると、好決算のようだが、手放しで喜べる内容とは言い難い。利益を押し上げたのは「損切り」による。赤字を垂れ流し、長く経営の足を引っ張ってきたブラジル事業の売却のことだ。そもそもキリンがブラジル事業に足を突っ込んだのは11年の夏に遡る。3千億円もの巨費を投じ、ブラジルでシェア2位を誇るスキンカリオール(当 ………

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