欧、英、加が金融引き締めの下地をこしらえる中、いよいよ米イエレンが保有資産圧縮に踏み切る。「緩和日本」一人旅。
2017年8月号 BUSINESS [気が付けば世界は引き締め]
「7」の年は世界の金融市場にとって一波乱ある。1987年のブラックマンデー(世界同時株安)、97年のアジア通貨危機、そして米サブプライムローンに端を発した2007年のパリバ・ショック。いずれもマーケットに激震が走ったが、今年の半ばはグローバルな金融緩和に幕が引かれようとしている。ダブつくマネーに慣れ切った金融関係者は、その予兆に身構えている。まず異変が感じられたのは、ハイテク株の多い米国のナスダック市場だった。6月9日にアップル、アルファベット(グーグル)、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフトなど主力ハイテク株に売りが殺到した。1日の下げ幅は2%に迫ったが、きっかけは一部の証券会社のリポートで、アップルのスマホ次期モデルの性能が期待に届かないと指摘され、発売時期が遅れるとの観測が浮上したことだ。たったそれだけのことで水鳥の羽音に驚く平家のような売り ………
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