地裁が呼び出しても辞退したり、欠席したりで20%も集まらない。そもそも刑事裁判に参加したい人は5%に過ぎない。
2017年7月号 DEEP [もはや付ける薬なし]
2009年5月から始まった裁判員制度は8年を過ぎ、瓦解の危機に瀕している。裁判員の候補者を地裁に呼び出しても、辞退したり、欠席したりで、20%も集まらない。裁判官は最高裁の判例を意識し、裁判員に相場通りの量刑を押し付けているようだ。付ける薬はあるのだろうか。裁判員の選任はまず毎年1回、各市区町村選挙管理委員会が地元の地裁から割り当てられた人数の有権者を選挙人名簿から無作為に抽出して提出。地裁は裁判員になれない18歳と19歳を外し、候補者名簿を作成する。名簿に載った人には、毎年11月、郵便で「親展」の封書が届く。封書には「最高裁長官からのごあいさつ」「名簿への記載のお知らせ」「調査票」などのほか、漫画で裁判員制度を説明したパンフレットも入っている。ベテランの司法記者は「突然封書が来て『何かに巻き込まれたのでは』と驚いたという話をよく聞く。発送の都合で差 ………
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