見落としてはならないのは、幹事長転身を熱望している菅官房長官の去就。官邸に残留すれば政局の火種になりかねない。
2017年7月号 POLITICS [長期政権のアキレス腱]
東の空が白み始める朝まだき、自民党本部(東京・永田町)の鉄柵ゲートを警備する徹夜明けの警官たちは一瞬、虚を衝かれた。目の前にタクシーが一台停車し、一人で降車したのが他でもない、二階俊博幹事長その人だったからだ。「ご苦労さん」と片手を上げた党最高首脳に、なぜSPを同行していないのか質問する訳にもいかず、警官たちは思わず敬礼を返した。敷地内に入った二階氏は、インターホン越しに建物内の警備員と何やら言葉を交わしている。予定も連絡もなく、いきなり現れたのだ。正面ロビーの明かりが灯り、慌しく施錠が外され、二階氏は中へ消えた。あの時刻、何のために、一人で何をしていたのか、誰も知る由はないが、来年は数えで傘寿(80歳)を迎える巨大与党最高実力者の不審者とも取られかねない奇行は、単なる噂話や笑い話では済まない。自民党本部と警察の間で「事件」は禁句とされたが ………
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