第二の「鉄の女」メイ首相の勝算なき続投

2017年7月号 GLOBAL

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戦闘色の「赤」から和平色の「青」へ――6月9日、EUとの離脱交渉を控えた英国総選挙で、過半数割れの318議席と賭けに敗れたテリーザ・メイ首相は、真っ赤な“勝負服”から青いスーツに着替えた。首相官邸前で「続投」を表明したが、居直った時の女は始末が悪い。第一党は維持したが、EU穏健離脱派である北アイルランドの民主統一党(DUP)の10議席を加えてもやっと「過半数+2」という薄氷の政権だ。昨年の国民投票で離脱派封じの狙いが外れ退陣したデヴィッド・キャメロン前首相に続く保守党政権二度目の大失態である。敵のコービン労働党がゴリゴリの左翼のため「人気薄」と見くびったのが祟った。政権公約(マニフェスト)で高齢者の介護費用の自己負担額引き上げを盛り込んだが、これが「ディメンティア(認知症)税」と呼ばれてえらく不評で、ブレグジットを支持した高齢層の離反を招き、自ら地盤を崩 ………

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