病める世相の心療内科⑥均一な住宅街は生きづらい

2017年7月号 LIFE

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長く団地の役員を務めてきた中堅企業の人事課長は、ある日自分が夜眠れず朝起き上がることができないことに気づいた。真面目な執着型で10命じられたら12こなすタイプで、使う側は都合がよいので、風当たりの強い管理職に抜擢された。彼は常にルールに忠実で、ゴミなどの処理にも神経を使い、団地の公園をうろつく不審者にも目を配る。自治会のルールを厳密化し、各戸に一定のノルマを課し、団地生活の均一化を進めた。会社においては、残業代がでない管理職なのに、職員の健康管理ややりがいある職場作りに気を配り、様々なマニュアルを作り、遅くまで社内に残っていた。職場が慢性的な人手不足だったからでもある。しかし、辞めていく若手社員は後を絶たず、自責の念にかられていた。窓口業務に雇った25人の新規採用者のうち3人が、クレーマー対応で体調を崩し、診断書を出して休職となり、さらに2人が ………

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