英ガーディアン紙日曜版特約 ビッグデータ「野合の帝国」

米大統領選とブレグジットを「操縦」した覇王たちの凄まじい暗部。英ガーディアンの調査報道を本誌特約で連載。

2017年7月号 BUSINESS [デモクラシー簒奪=上]

  • はてなブックマークに追加

ソフィーという名の若い米国人女子大学院生が2013年6月、ロンドンに立ち寄って、かつて見習い(インターン)をしていたデータ分析会社「SCLエレクションズ」の上司に電話を入れた。この会社は、後に謎のへッジファンド(ルネッサンス・テクノロジー)の大富豪ロバート・マーサーに買収され、社名をケンブリッジ・アナリティカ(CA)に変えている。3年後の16年、英国をEU(欧州連合)から離脱させ、ドナルド・トランプ米大統領を誕生させた二大キャンペーンで暗躍、世界に悪名を轟かせた(本誌17年3月号「トランプ『人心操縦』の黒幕」参照)。だが、この時はすべてがまだ始まっていない。「そのころの我々の会社はまだ、トランプの世界を生み出すような専制的な暗いデータ会社ではなかった」とCAの元社員(仮名ポール)は語った。「当時はただの心理戦の会社だったね」。心理戦専門の会社? 「その通り。 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。