一 刻の猶予も許されないのに、産業革新機構の迷走で時計の針だけが虚しく進む。行き着く先は決まっている。
2017年7月号 BUSINESS [ 売れない「東芝メモリ」]
債務超過で倒産寸前の東芝。倒産を免れるかどうかは、ひとえに今年度中に半導体メモリ事業が思惑通りの価格で売れるかどうかにかかっているのに、官製ファンド、産業革新機構の迷走で「時間切れ」の可能性が高まっている。債務超過の会社に融資はしない──。銀行経営の鉄則だが、債務超過の東芝はなぜか特別扱いを受け続けている。だがそれも、長くは続かない。三井住友銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行に次ぐ第4位の債権者である三菱UFJフィナンシャル・グループは5月上旬、東芝の債務区分を、事実上、新規融資ができないレベルの「要管理先」に引き下げた。「日本にとっても重要な企業には適切な対応をしていく」(平野信行社長)というトップの言葉とは裏腹に、すっかり腰が引けている。その他の主力行もその一歩手前の「要注意先」にしており、警戒感が高まっている。
シャープが経営危機に陥っ ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。