「天皇vs安倍」の第ニラウンド

天皇に逆らう首相を「保守」や「右翼」と呼べるのか。「保守」でも「右翼」でもないなら、安倍晋三とは、何者なのか。

2017年6月号 DEEP [天皇家の憂うつ]

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天皇・皇后の悩みは晴れない。天皇の退位を実現する皇室典範の特例法案は、5月中にも国会で成立する見通しになった。希望通り来年中には皇太子が次の天皇に即位する。それでも30年に及ぶ平成の在位期間を通じ、精魂込めて作りあげてきた象徴天皇制を、この先も安定的に維持・継承していく見通しは立っていない。今回の譲位を「一代限りの特例」に押し込めた政治と官僚と有識者のご都合主義によって、天皇制はどうあるべきか、今後どうしていくかという天皇の問いかけに応えた本格的な議論は回避したまま、一時しのぎの取り繕いで片付けられようとしているからだ。「天皇は国民の前に姿を見せなくても、祈っていればいい」政府の有識者会議(首相の私的諮問機関)のヒアリングで、渡部昇一上智大学名誉教授(故人)や平川祐弘東京大学名誉教授が言い放った退位反対論に、両陛下は大変驚かれたという。二 ………

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