本丸9条に手を付けて歴史に名を残し、野党の分断も図る。練りに練られた「アベの改憲」の終幕は2期で禅譲だ。
2017年6月号 POLITICS [究極の二兎追い戦略]
「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」本誌が5月号で予告したとおり、安倍晋三首相はやはり「憲法改正」で反撃に出た。施行70年の節目となる憲法記念日に、読売新聞朝刊と日本会議が主導する改憲派集会で、これまた本誌2016年11月号で予告したとおり、自衛隊を明記する「9条3項の新設」を打ち上げたのだ。「自衛隊の姿に対して、国民の信頼は9割を超えています。しかし、多くの憲法学者や政党の中には、自衛隊を違憲とする議論が、今なお存在しています。『自衛隊は違憲かもしれないけれど、何かあれば命を張って守ってくれ』というのは、あまりにも無責任です」北朝鮮情勢が緊迫し、手応えを一層感じているのだろう。首相は改憲項目として日本維新の会などが唱える教育無償化にも言及したが、国会の改憲勢力へのリップサービスとみていい。本命はやはり、戦後日本の憲法論議の主役であり ………
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