浅薄なまちづくり発想で伝統ある屋台28軒を狙い撃ち。「文句あるなら生活保護受けろ」と。
2017年6月号 POLITICS
博多の夕まぐれ、天神から中洲にかけての目抜き通りの歩道に、次々に屋台が立ち並び、灯りが点る。2.5×3メートルの組立式大型屋台では、博多ラーメンから串揚げ、小割烹に至るまで店ごとに豊富なバリエーションを誇る。のれんをくぐれば狭いカウンターに常連客が肩を寄せ合い、譲り合って酒や食事を楽しむのが流儀だ。店主と客が一体となって、博多独特の温もりが醸し出される。だが3月31日、150店ほどの屋台のうち28軒が一斉に閉店に追い込まれた。福岡市が屋台営業の「名義貸し」店舗の営業許可をせず、追い出したからだ。「中堅の屋台を狙い撃ちにした、きわめて問題の多い行政処分だ」と憤るのは、閉店した屋台の営業者2人が福岡市を相手取って起こした訴訟の代理人、木佐茂男弁護士。もともと北海道大学と九州大学で行政法学と地方自治を研究。1980年代後半に西ドイツ在外研究で触れた、市民に開か ………
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