元の親子関係に戻れない「成年後見制度」

2017年6月号 LIFE

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認知症を患っている親の財産を狙う悪党を追い払うため、やむなく使うことにした成年後見制度。月日が経ち、親が出歩けなくなり、悪党も近づくことができなくなったので利用を打ち切りたいが、可能だろうか。結論から言えば、日本の硬直した裁判所の制度において、答えは限りなく「NO」だ。兵庫県西宮市に住む84歳の女性は、1995年の阪神淡路大震災をきっかけに記憶があいまいになり、動作も鈍くなった。ローンを払い終えて間もない住居が壊れたことに衝撃を受けた。認知症の始まりだった。すると、女性の夫の知り合いだと言う男性グループが、女性に近づくようになった。しばらくして、女性は自分のお金を男性グループに渡すようになった。接近はさらにエスカレート。弁護士の資格を持つ男も加わって、女性が経営するアパートの権利を女性から譲り受けたなどと主張するようになった。女性の53歳と51歳に ………

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