歌麿「三部作」がワシントンに勢揃い

出版統制下で描いてみせた花柳界の群像。流転の傑作「雪月花」が140年ぶりに一堂に。

2017年6月号 LIFE

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江戸の浮世絵の巨匠、喜多川歌麿が描いた肉筆浮世絵の傑作といわれる「雪月花」の三部作が、およそ140年ぶりに米国ワシントンDCで「再会」、一堂にそろって公開されている。「深川の雪」「品川の月」「吉原の花」と題する三部作は天明・寛政期から化政期にかけて、縦1・5~2m、横2・5~3m超の大画面に肉筆で描いた浮世絵で、当時の江戸を代表する遊郭など花柳界を舞台に、花魁や周囲の女性たちの華やかな群像が描かれている。三作は栃木の豪商「釜伊」の初代当主、善野伊兵衛の依頼で制作された。のちに欧米を席巻するジャポニスムの薫り高い大作で、内外の蒐集家が入手を競って流転してきた。明治12(1879)年栃木の成願寺で展示されたのち、三作は1900年パリ万博で日本美術の紹介者として知られた美術商、林忠正がフランスに持ち込んだ。このうち「品川の月」は1903年に米国の実業家、チャールズ・ラ ………

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